「幸歩、もう準備始めるの?」 後から部屋に入ってきた柊平は買い物袋をキッチンに持ってきた。 「うん。早いけど、ゆっくり始めようと思って。あ、先に紅茶いれるね。」 お湯を沸かし始めて、買ってきたものを袋から出そうとすると、その手を柊平に掴まれて、抱き締められた。 「えっ!?どうしたの?紅茶じゃない方がいい…とか?」 「違うよ。やっと、気兼ねすることなく幸歩に触れられるんだなぁ…って思ってさ。」 気兼ね…してなかったでしょ? 駐車場でも、お店の中でも抱き締めてたじゃん…。