「で、幸歩を悩ませてる原因は何?まさか…旦那とケンカ?」 「違います!ケンカじゃありません。円満ですから。」 ニヤリと笑っている宇堂さんをキッと睨んだ。 どうして、私と柊平がケンカしてるんじゃないか…って思うんだろう…? 勝手にそういう想像しないで欲しいんですけど。 私は肩にかけてもらっていたジャケットを宇堂さんに返して事務室に戻ろうと歩き出す。 「幸歩、何かあったら頼れよ?俺でよければ相談にのるからな。」 振り返ると、宇堂さんはタバコの煙をフッと吐きながら笑みを浮かべていた。