後ろを振り向くと、そこに立っていたのは宇堂さんだった。 「な…なんで、宇堂さんが屋上に来たんですか?」 「そんなの決まってるじゃん…。幸歩が屋上に続く階段を上っていくのを見たからだよ。」 宇堂さんはフッと笑うと、ポケットからタバコを取り出して火を付けた。 単に食後の一服をしに来ただけじゃないの…? そう思いながら、私はフェンス越しの景色を黙って見つめていると… 「何かあった?」 宇堂さんはフェンスに凭れかかり、景色を見ていた私の顔を覗き込んだ。