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『こんにちは。』


学校から家に帰って来ると、表札の前で佇んでいた女性が私に声を掛けてきた。

「…こ、こんにちは。」


見知らぬ女性に、私は警戒しながら挨拶を返す。


誰?
何かのセールス…とか?


とにかく、早く家の中に入ろう……。


下を向きながらスタスタと女性の横を通り過ぎようとすると……


『これ、お父さんに渡しておいてくれる?』


そう言って、私に小さな紙袋を手渡すと、女性は不敵な笑みを浮かべながら去っていった。