「それじゃあ、行って来るね!」 「幸歩も綾月先生も、楽しんで来てね!」 朝、お母さんに挨拶して、いよいよ出発。 ちょっと照れくさいけど、マンションの駐車場までの短い距離も二人で手を繋いで歩いた。 私は……別に繋がなくてもいいかな…って思ってたんだけど、お母さんに挨拶し終わった後、すぐに柊平が私の手を握ったから離すわけにもいかなかったんだよね…。 「幸歩、足元気を付けて乗れよ?」 助手席のドアを開けて、私を乗せてくれた。