先生にキス〈5〉


「……半分本気。」


笑みを零しながら、視線だけは真っ直ぐ私を見ていた。



「今日は、ここまでにしとくか。旦那に早く帰って来い…とでも言われてるんだろ?」


パッと掴んでいた腕を離して、持っていたタバコに火をつけた。


私…宇堂さんに何も話してないのに、なんで柊平が言ってたこと…分かっちゃうの…?


ビックリしながら見ていると……


「驚くことでもないじゃん。俺、幸歩の旦那に嫌われてるみたいだからさ。そう言いそうだなって思っただけだよ。じゃあな、お疲れさま。」


宇堂さんは、手をヒラリと振って、休憩室の方へと行ってしまった。