ホコリがだんだんと薄れていく。 「結亜、来い。」 さっきは怒鳴り声だったから誰だか分からなかったよ… 「聖也…っ!!」 聖也はあたしにとって、敵だけど…何故か涙が溢れた。 …あたし、怖かったんだ。 泣きじゃくるあたしを強くギュッと抱きしめる聖也。 敵だけど…敵だけど、安心出来たのは確かだった。 「おい、オメェ等!俺の女に手ェ出しといて、只で済むと思うなよ。」 凄んだ、低い低い声だった。 本当に怒ってるみたいだ。