バニラ

ステージから見つけた、彼女がコンビニを出るところだった。

バッグを探って

煙草に火を付けるのがわかった。




吸い寄せられるように俺もそのコンビニに立ち寄り

怪しまれないよう、缶コーヒーと煙草を一箱買って扉を抜けると

彼女の右に列んで取り出した一本をくわえた。






170センチくらいあるか…?


でっけー女。





何の気無しにぼーっと見下ろしていると
彼女の左手が目の前に差し出されてはっとした。


『火。



ないの?』


びびった。

俺が煙草をくわえたまま無表情に彼女を見てたから
火の催促と取られたようで

ライターを貸してくれたのだと気付くまでに


数秒かかった。