バニラ

フーッ…


煙なのか、ため息なのかすらわからない白い靄を吐き出す。






何やってんだ私。





ふと視線を感じ右側を振り返ると

大学生くらい?の男の子と目が合った。





でっかい子だなー…


ヒール履いた私が見上げるくらいだから

180はあるんだろうな…



彼は何も言わず
煙草をくわえたまま立ち尽くしている。



えっ、…何?


あまりに彼が目を逸らさないので吾に帰る。



火、貸せって言ってんのかな…



無言の圧力を感じ、
バッグからライターを差し出した。







しまった。



もっと女の子らしいライター買っときゃよかった…。