しばらく歩くと、前に赤いランドセルを背負った二人の小学生が前を歩いていた。

バス停まではあと横断歩道を渡れば着く。小学生とは進行方向が同じだったらしく、歩道の一番前に並んで信号が変わるのを待っていた。


「ねぇ、美沙ちゃんは好きな人とかいないの?」

美沙と呼ばれた少女は少し顔を紅潮させた。

「わたし?……梓ちゃんは中野君が好きなんだよね…」

「うん!」と梓と呼ばれた少女が元気に返事した。


信号が変わるまで二人の会話は続いた。



「あ!美沙ちゃん青だよ―」