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王様の部屋を出て無駄に広い城の中をゆっくりと靴の音を響かせながらシロウサギは歩いた。

そしてしばらくして庭に出た。
まだ肌寒いが、庭にはカラフルな花がたくさん咲いていた。

「アリス…もっと僕を楽しませてよ。………」

シロウサギは花を踏みながら門の方へ歩いてゆく。門にはスーツを着た人が二人いた。


「…シロウサギ様、女王様からの伝言です。"花を踏むなと言っただろ?次踏んだら今度こそはお前の首をはねるか……」

スーツを着た男が何かに操られているかのように話した。言い終わる前にシロウサギは腰にさしてあった銃で男を撃った。


男の血が辺りに飛び散り、ばたりと男が倒れた。

しかし、隣にいたもう一人の男は平然としていた。


「…綺麗な庭に真っ赤な血はミスマッチだったかな?……まぁでも僕的に綺麗だと思うんだけど…あの人とは趣味合わないからなぁ……」

そんなことを呟きながらシロウサギは門を抜けて出て行った。
シロウサギが歩いた跡にはぽたぽたと血が垂れて線になっていた。



「……アリスの血はどんなかな?…トランプよりも綺麗だといいなぁ………」