「死んだ!?…なんで?」

アリスが訊ねるが、またアリスの問いにチェシャ猫は答えなかった。

二人の間に微妙な空気が流れた。


「お前さっきから俺がした質問にはあんま答えないよな…まぁ、言いたくないことなら別にいいよ。……あ、そうだお前帽子屋がどこにあるか知らないか?」


アリスは黙ってしまったチェシャ猫を気遣って話を変えた。そんなアリスをみてチェシャ猫は少し笑った。

「…もしかして帽子屋さんに用があるの?」

「ああ。この辺って聞いたんだけど……」


「帽子屋さんはこの辺にはないよ?……僕が連れて行ってあげようか?」


「本当か!ありがとな」

そうアリスが言った。するとチェシャ猫は「いいよ」と言って歩き出した。
そのすぐ後をアリスは付いて歩いた。