春が終わる頃のある雨の日。


いつものように登校して、いつものように退屈な授業を受けて今はHRの時間。


どうせ今日もくだらない連絡だろうと外を見ながら上の空で話を聞いていた。


「今日は体育祭について実行委員から連絡があるそうだ。…じゃあ、あとは実行委員に任せた。話し合いが終わり次第帰っていいからな。」


と、言って担任は出て行った。彼はまだ若く、20代前半の新米の教師だがやる気が全くない。

行事とかもあまり関わりたくないらしく、全て生徒に任せていた。


担任が出て行った後、実行委員が二人教卓の前に出てきて、片方が黒板に役割分担のようなものをすらすらと書いていった。


役割などはもう決まっていて、後は種目を決めるのみ。


「俺には関係ないな」と、ずっと外を眺めていた…が、


「お前確か足凄く速かったよな?…」

クラス全員の視線が集中して、呼ばれたのが自分だということに気が付いた。


「まぁ……」


クラスのほとんどが違う中学出身で、少し意外という顔をしていた。