「俺がアリスだ。」
しかしアリスは少し自信がなかった。さっきいきなり"アリス"と言われてまだ嘘のような気がしていた。
「…そうよね、変なことを言ってごめんなさい。……でもあなたは前の"アリス"達とは違うわ。"アリス"はみんな私のこと嫌ったわ。…」
「どうして?」
アリスは王様の目を見た。アリスは昔から人の相談を聞くときはしっかりとその人の目を見ていた。少し王様は照れて目を逸らしたが、アリスはしっかりと王様の目を見た。
「……そうね、あなたはまだ知らないから……あなただって、あのことを知れば私のことをきっと嫌いになるわ。…そうに決まってる、だってあなたはアリスだもの。」
そう言って王様はまた俯いた。
「…よくわかんねえけど、言う前から決めつけるのは良くないと俺は思う。」
「だって……これはルールですもの、仕方ないことなんだわ。……でも、あなたには知って欲しくないわ。…」
アリスは王様が言っていることが全く理解出来なかった。少し考えてアリスは
「何があるか知らねえけどさ、俺は前の"アリス"とは違う…」
王様は少し笑った。
「あなたやっぱりアリスっぽくないわ。…でもあなたなら大丈夫かもしれないわ………」
「何が?」とアリスは言ったが、王様はアリスの問に答えることなく喋った。
