アリス逃走中





「おいっ!大丈夫か!!」

道路に倒れている美沙と梓のところに一人の男が駆け寄る。

梓は自力で立ち上がりきょとんした顔をしていた。

美沙は男の人に支えてもらいながらだが、しっかりと立てた。


しばらく二人共放心状態で状況を理解してなかった。

「痛くないか?」


梓は突き飛ばされて腕と膝から血が出ていた。美沙は血は出てなかったが、少し擦りむいていた。


「……痛いよ。でもわたし強いからこんくらいじゃあ泣かないもんっ……」

梓は目に少し涙を溜めていった。そんな梓を見て逆にが美沙泣き出した。

「美沙ちゃん…わたしは痛くないよ?…大丈夫だから、泣かないで?……」

そんな二人を見て男の人は胸をなで下ろした。


「誰か救急車を呼んで下さい!!!!助けて下さい!!!」


近くから叫び声がした。
声の方を見ると高校生が倒れていた。そして道路が血で真っ赤だった。