先輩…


いまも
はっきり覚えてる

溢れる涙を拭きながら
一瞬顔をあげたとき
先輩の歩く後ろ姿が
目の前にあった


また時が止まりました


ねぇ
先輩?
あの時
追いかけて
「卒業おめでとうございます」なんて言えてたなら
先輩との距離は
もう少し縮んだかな、


遠ざかる
大好きな歩き方を
熱くなる目頭と
歪む視界と一緒に

ただ
見つめることしか
できなかったんだ