「あたし、絶対人を好きにならないって決めてた。だって大切な人失う時の苦しさをあたしはお母さん達で思い知った。絶対人を愛さないって。絶対大切に思わないって決めてたんだ。でもね、龍哉のおかげであたしは人を信じようと思った。最初はすごく戸惑ったよ。なんて言ったらいいのか分かんないけど・・・。素直に受け入れられなかった。1週間で終わるだろうって思い込んでた」

涙を我慢しても次から次へと流れ出る。

「ずうっとあたし、お母さんを憎んでた。なんでこんな子供産んだのって・・。なんであたし、産まれてきたのって・・・。人信じれないなら・・愛せないなら生きてても無意味ぢゃん・・・?でもね・・今はお母さん達に感謝してる・・・。お母さんが産んでくれなかったら龍哉に逢えてなかった・・・。慎耶や・・実美や・・奈津さんに逢えなかった・・・。龍哉も産まれてきてくれてありがとうね・・・。あたしと出会ってくれてありがとう・・・」

再び石碑を見つめる。

「兄ちゃん達にも感謝しなきゃいけないね・・・。何かあると兄ちゃんに頼ってた・・・。幼い頃の癖で・・。もう高校生なんだヵら・・しっかりしなきゃね・・・」

「龍哉、あたしは龍哉のこと愛してます。
これヵらもずっと、永遠に変わらない。
もうばかなことはしないよ。
龍哉は永遠にあたしの心の中で生き続けるヵら。
だヵら必ず龍哉は生まれ変わってきてね?
あたしはずっと待ち続ける。
きっと慎耶や実美も一緒だよ」

あたしは立ち上がる。