そして212号室の前で止まる。
鼓動が余計速くなる。
嫌だ・・。入りたくない・・・。
声に出ない。
ドアが開く。
そこで見たのは・・・。
嘘・・だよね・・・?
「実美、嘘だよね?ありえないよね?」
あたしは実美にすがり付く。
でも実美は静かに横に首を振る。
実美の目にはたくさんの涙が浮かんでいた。
周りを見ると慎耶や奈津さんが来ていた。
2人とも涙を流していた。
でもあたしは涙が出ない。
なんで泣くの?
「龍哉、起きてよ。なんで白い布かぶってるの?なんでこんなに体が冷たいの?まだ冬ぢゃないよ?みんな泣いてるよ?早く起きてよ」
龍哉の体を揺らす。
するとふいに後ろヵら抱き締められる。
その仕草が龍哉に似ていた。
奈津さんだった。
「昨日ね・・梨李ちゃんが帰ってヵら龍哉といろいろ話したの・・。龍哉は・・今日・・自分がこうなることに気づいてた・・。龍哉は・・ガンで悩んでた・・。でも抗がん剤は絶対嫌だって・・言ったらしい・・。理由はね・・梨李ちゃん・・。あなたのためなのよ・・」
「あたしの・・ため・・・?」
奈津さんは静かにうなずく。


