「梨李、出掛けるのか?」
「ぅん。ちょっとね」
「そうか。昼飯は?」
「適当に食べるよ。結城兄ちゃんにも言っといてね。ぢゃあ行って来ます」
「行ってらっしゃい。気をつけてな」
あたしは唯兄に見送られて出掛けた。
目的地は・・・。

コンコン
「どうぞ」
「やっほ-、龍哉」
そう、龍哉の病室だった。
「ぉぉ、梨李。どうした?こんな昼間に」
「ん-顔見たくなっちゃって」
不安だっただけ。
本当は夕方来る予定だったんだけどね。
「そっかぁ」
龍哉は手を広げた。
「おいで?」
その姿がかっこよかった。
あたしはその胸の中に飛び込んだ。
「ぃっ退院するの?」
龍哉を見上げる。
「わかんね-。でも今週中には退院してやるよ」
おでこにキスをされる。
龍哉ってこんなキャラ?

それヵら2時間経った。
「梨李、ぃっ帰るの?」
「ぅん? 今2時ヵぁ。夕方まで居るよ-」
「そぅか・・・」
急に龍哉がソワソワし出した。

コンコン
ふいにノックされた。
「実美達来たのヵな?」
「・・・・」
龍哉は返事をしなかった。
「龍哉? 返事しないの?」
「・・・はぁ・・・」
龍哉の溜め息と同時にドアが開いた。