「待てって……」


部屋から出た里美を追いかけ、腕を掴んだ。


「蓮は……なんであの子がいいの!?私の何が足りないの!?」


「俺は綾吏の全てが好きなんだ。綾吏のなにもかもが…………。」


「……私はこんなに蓮が好きなのに。あんな女に蓮は渡せないわよ!」


「ごめん……。でも綾吏じゃなきゃ……」


「もういい!帰るわ!!」



ツカツカと歩いていく里美を、俺は追い掛けることができなかった。