ピンポーン

虚しくチャイムが響く。


カチャ……

「入って………」


家に上げると、里美はツカツカとリビングへ行き、ソファーに座った。


俺も向かい側のソファーに座る。


「里美………ちゃんと聞いてな……?」


「別れろ………なんて言わないわよね?」


「ごめん……。」


「嫌よ。」


「頼む……。別れて…ください……」


俺はソファーから下りて、地に頭をつけた。

………綾吏と幸せになれるなら、土下座なんて苦じゃない。


「…っ!嫌!絶対嫌!話ってそれだけ?なら私は帰るわ!!」


「ちょ……待てよ…………」