亮くんも、頑張ってくれてるんだ……。
「綾吏先輩!見て!!」
亮くんは電車の窓を指差した。
そこから見える光景は……あの日貰ったハートの風船が空に向かって舞っていた。
「誰かが飛ばしちゃったんですかね……。ハートの風船、綾吏先輩も欲しいですか?」
そう言って、私の方へ顔を向けた亮くんの顔はギョッとするのがわかった。
「どうしたんですか……?」
「……。」
私の顔は熱くなり、目からはたくさんの雫がこぼれ落ちている。
「……綾吏先輩……。」
プシュー
電車のドアが開いて、アナウンスが流れる。
ここが遊園地の駅だ・・・。
「行こっか!」
私は涙を拭いて、立ち上がった。
「でも・・・綾吏先輩・・・。」
「大丈夫!行こう!」
「そうですね……!」
なんとか私は明るく振る舞った。

