「はぁ……。」 つい、ため息が漏れる。 最近、ため息ばっかり……。 また背後に上司がくる。 さっきとは違う上司。 「聞いたよ~、北原さん!北原さん、中井くんと付き合ってるらしいね。中井くんには、婚約者がいるのに。あ~中井くん、かわいそっ。」 吐き捨てるように言って、急に寄ってきた上司は立ち去る。 そうやって、女の上司が何人も何人も嫌味を言ってきた。 そんなとき、ふと頭に浮かんだ。 『別れた方がいいのかな……』