薔薇が棘に 赫き涙を
消えなき痕の 我に冷たし
指の 先の 滴る 雫


数多の華が あはれなる様
ああ

苦痛 痛切
届かず 至らず
囲ひの外にぞ 崩れ落つ

シカレドモ

薔薇の棘に 赫い涙を
消えない痕が 僕に冷たい
指の 先の 滴る 雫


幾多の星の うつくしきかな
ほら

切実 刹那
出られず 照らず
縛りの内こそ 枯れ果てれ

シカレトモ

夜の夢は 黒い妄想
失くした光に 君が凍える
頭の 裏の 棲みつく 憂い


薔薇の棘に 赫い涙を
消えない痕が 僕に冷たい
指の 先の 滴る 雫

夜が夢は 黒き妄想
失しけり光に 汝が凍る
頭の 裏の 棲みつく 憂ひ


シカレドモ










≡≡≡≡≡≡≡

2009.11.21

読み
赫い あかい
数多 あまた
幾多 いくた
内  なか
汝  なれ
凍る こごる

( )をつけたくなかったので後書きに難しそうなものだけ読みを書いておきました。

初めは口語で書いていたのにだんだん似非古語にっ……
でも口語も捨て切れず何気に同居。

一応、お屋敷のお嬢様と凡人さんとの恋模様で、「屋敷の外まで来たけど貴女には逢えないやー」「全然外に出してもらえないわ~」という内容です。

分かりづらすぎですがご勘弁を。