「あのっ…」 また聞こえたさっきと同じ声に今度こそ声の主を目で捕らえた。 「あ…」 そこにいたのはあの電話の彼女。 丁度俺の背中にくっ付くようにいて我知らず顔に血がのぼる。 見られたくなくて顔を背けると焦ったように彼女がおれのブレザーの裾を引っ張った。 「あのッ…」 必死なその声に目だけ向けると思っていたより小さい彼女が俺を見上げていた。 「…俺?」 「え?あ…はいっ」 コクコクと首を縦に振って俺の鞄を指差す。 その仕草が背中越しに振動を伝えて近くに探してた彼女の存在を確実に感じた。