だというのに。

「大丈夫よ」

こちらの話に耳も貸さず、ハルカはひたすらに歩き続ける。

「休憩なんて、脱出してしまえば幾らでも出来るじゃない。今は少しでも外に向かう方が先決よ」

そう言ってまた一歩踏み出し。

「っ…!」

突然ハルカの膝がガクリと落ちる!

そのまま受け身も取れないまま床に転倒しそうになり。

「大丈夫?」

咄嗟に八戸がハルカの体を支えた。

「よ…余計な事しないでよっ」

八戸の手を払いのけようとするハルカ。

しかしそれには構わず、八戸はハルカの額に手を当てる。

「…熱がある」