ここまで僅かな休息をとっただけ。

そろそろ疲れがピークに達している筈だ。

「なぁ」

俺は振り返り、ハルカや朝霧に声をかける。

「少し休憩するか?もう疲れも溜まっているだろうし」

「何言ってるのよ」

いつものきつい口調でハルカが言った。

「恭一緊張感ないの?火災が迫ってきてるのよ?燃え盛るタワーの中で休憩する馬鹿がどこにいるの」

「みんなが頑張ったお陰で、幾らか距離は稼いでいる。少し休憩したくらいで、炎に追いつかれるような事はないさ」

それに体力も幾らか残しておかなければ、いざという時に危険を回避できるだけの余力も必要だ。