そんな彼女に苛立ったのか。

「いい加減にしなさいよ朝霧さん!」

きつい口調でハルカが言った。

「大体誰のせいで、私達がこんな目に遭っていると思ってんの!このタワーは貴女の父親が管理しているんでしょ!」

「!!」

その言葉に、朝霧がショックを受けたような表情を見せた。

「貴女の父親が、もっとしっかりしたシステムにしておかないから、こんな災害が起きるんじゃない!」

「おいハルカ、言いすぎだ」

俺はまくし立てるハルカをたしなめる。

ハルカも危険な状況に置かれている事で、ナーバスになっているのだろう。

「朝霧も、気にするな。ハルカだって悪気があった訳じゃ…」

「いえ…二宮さんの言う通りですから…」

朝霧は俯き加減に呟いた。