これではせっかくへし折った椅子の脚も役には立たない。

「何よ、役立たずのガスコンロね」

そんな愚痴をこぼし、ハルカはその場を離れた。

俺も用無しとなった椅子の脚をその場に投げ捨てて、ハルカと共に厨房を出る。

…この時俺は、どうしてもっと細心の注意を払わなかったのだろう。

ガスコンロのスイッチを入れたまま、ハルカがその場を離れた事に気づかなかった。

この事が、更なる災害のきっかけとなる事に、俺は気づいていなかった…。