「突っ込まないで下さいよぉ!この格好はアミューズメントタワーのマスコットのコスプレなんです!」

恥ずかしげに体をクネクネさせながら言う朝霧。

「パパに頼まれたから、仕方なくこんな格好でバイトしているんですよう」

そう、朝霧はこのアミューズメントタワーを管理している企業の社長の一人娘なのだ。

本来なら目立つ事を嫌う彼女が、こんなコスプレなどしているのには、そういう理由もあるらしい。

「もう少ししたら、今度はタワー内のお手伝いもしなきゃならなくて、もう大忙しですよう!」

栗色の長い髪をふわふわさせて、ベソをかく朝霧。

そんな事を言われても、俺は何の手助けもしてやれない。

「まぁ…頑張ってくれよ」

苦笑いしながら言うと。

「はぁい、永瀬君も楽しんでいってくださいね!」

朝霧は屈託のない笑顔で手を振った。