ハルカが咄嗟に朝霧の腕を掴み、強引に引き起こした!

「走ってっっっ!」

彼女の声と共に、俺達は全員走り出す!

15階フロアの中を、残る体力の全てを使って駆け出す俺達。

死に物狂いだ。

追いつかれれば命はない。

相手は猛獣。

常に命のやり取りで食い繋いでいるケダモノだ。

狩りをして命の糧を得ている動物。

人間なんかがまともにやり合って、勝てる筈がない相手。

猛獣の前では、俺達人間なんて爪も牙も持たない草食動物以下の存在だ。