八戸とハルカがエスカレーターを降り、朝霧が続く。

…彼女もここまでよく頑張っていると思う。

このタワーの管理責任者の娘として、一度はハルカに辛く当たられたりして、正直楽ではなかったと思う。

が、途中から弱音も吐かなくなり、後半からはこのタワーに一番詳しい者として、俺達のサポートに回ってくれた。

彼女もまた、ここからの脱出になくてはならない人材だった。

「よっ…と」

疲れた足を引き摺るようにして、少しおっかなびっくりでエスカレーターを降りていく朝霧。

俺はそれを後ろから見守る。

…アクシデントはその時に起こった。