15階フロア内に入り、俺達はエスカレーターを降りる。

まず先頭は八戸とハルカ。

まだ熱があるのか、足元がおぼつかないハルカを、八戸が支えながら降りる。

…素性が知れず、或いはこのタワーのシステム異常を引き起こした元凶かとさえ疑っていた八戸だったが、ここに来るまで、彼女は不審な言動は見せていない。

それどころかハルカの為の薬を朝霧と共に探しに行ってくれたり、ハルカのフォローに回ってくれたり、むしろ頼もしいサポート役として活躍してくれている。

…こんな状況下に置かれた事で、俺自身少しナーバスになっていたのかもしれないな。

今となっては八戸と合流できた事は脱出の助けになるとさえ思っていたし、彼女には感謝さえしていた。