「ほら!見て下さい皆さん!」

朝霧の声が自然と弾む。

彼女の指差した先には、『15』と金色で表示されたパネル。

15階。

地上60階という超高層といっても差し支えない高さのタワーから、俺達はいよいよここまで辿り着く事ができた。

15階といえば、普通に考えればまだまだ十分な高さだが、このタワーに関して言えば地上が近づいたと錯覚してしまうから不思議なものだ。

だが、俺達にとっては十分に生還の希望を持てる高さ。

あと少し。

あと少しで外に出られる。

自然と俺達の疲れ切った体にも力がこもった。