ヤツの居場所は福岡市内の閑静な住宅街の一角に位置する。

ヤツに気取られ逃げられようものならば千春に申し訳が立たない。

迅速に行動せねば…

素早く内部に侵入したあたし達は一番奥のヤツの部屋を目指す。

"ガラッ"

襖を荒っぽく押し開け

「動くな」

ヤツに銃口を向ける。

ヤツは、少々動揺したが…

「千夏…一体どうしたんだ?」

馴れ馴れしいヤツだが、ステテコ姿で冷奴をつつくその男が例のブツを所有する男であり、同時にあたしのオヤジでもある。