男は、自分の両手を見る。 両手は、氷で包まれていた。 「お前の能力は手に力を込めなくちゃ発動しない。 ーー俺の勝ちだ。」 その瞬間、男の足も凍っていった。 「っ、貴様!」 「お前は敵じゃない。命は助けといてやるよ。 悔しかったら御自慢の能力で溶いてみな。」 それだけ言って、俺は再び中へ走り出す。 「くそぅ!」と、後では響いていた。