リアルな彼氏



一通り話終わると、透は少し元気になったようで、笑った。


『って、ごめんな?お前に言ったってしょうがないのにさ…。でも、俺すっきりしたよ。』



―ありがとな?と、頭をくしゃくしゃと撫でられた。


「私なんて…。でも、透が喜んでくれてよかった。」


それは確かに正直な気持ちだったけど、悲しかったのも事実だ。

透が愛莉の事を好きなのはわかっていた。

けど直接、その想いを聞くことになるなんて思ってもなかった。


うつむいて唇をかみしめ泣くのを耐えていると、入り口の棚の上に小さい頃3人で撮った写真が視界に入った。