中村先輩はお腹を抱えて笑い続ける。
「いい加減笑い止んでよぉ。もぅ!!」
ドスンとわざと音を立てて先輩の隣に座った。
「あぁ…。もうムリムリ。腹筋割れそー!!」
涙目になりながら地面に落ちたタバコを拾うと火を付けた。
「あれ?先輩って今まで吸ってた?」
「え?うん。直哉の前では吸わなかっただけ。」
「なんで?」
「あいつの禁煙につき合わされて。いい迷惑だったけどな。」
へ~。直ちゃんってタバコ吸う人だったんだ。
「どうして禁煙してたの?」
「美紀ちゃんに悪い影響が及ばないように!」
中村先輩が美紀の目の前に人差し指を突き出す。
「愛されてんね~。美紀ちゃん。」
「子供扱いされてただけでしょ?」
唇を尖らせる。
美紀が欲しいのはそういう愛じゃない。


