「ちょっ…!待って!先輩…!」
森先輩の家は誰もいなくて、彼の部屋に足を踏み入れた途端ベッドに体を押しつけられた。
「なんで?俺たちつき合ってるんだし問題ないしょ?」
そう言って唇を塞がれる。
確かにつき合ってる。
手を繋いだこともあるし、キスをしたこともある。
だけど…、
「やっぱ待って!美紀まだ…。」
「大丈夫だから。」
彼は根拠のない慰めを口にし、美紀の制服に手をかけた。
「嫌だ…!!!」
持てる力を目一杯使って森先輩を突き飛ばす。
油断していたのか思ったよりも衝撃があったようだ。
「イッテー。」
彼はフローリングに打ちつけられた肘を撫でながら起き上った。
「あっ…。ごめんなさい…。」


