「美紀。今日の午後サボろーぜ。」
「森ちゃ~ん。美紀ちゃんを不良化させるなよぉ。」
中庭はいつの間にか美紀と新3年男子数人のたまり場となっていた。
「だってこいつ新しいクラスにも馴染めてないし。かわいそうだろ?」
「今日はどこに連れて行ってくれるの?」
森先輩とつき合うようになってから遅刻や早退が増えた。
彼は美紀を気づかっていろいろな所に連れて行ってくれる。
「ん~。今日は俺の家。金もないしね。」
「森先輩の家?わ~い!美紀初めて行く~。」
「森…?」
ずっと黙っていた中村先輩が険しい顔をして森先輩を呼ぶ。
そういえば最近中村先輩とあんまり話してないなぁ。
「何?文句ある?」
森先輩はやけに挑戦的な目で中村先輩を見た。
「…ない。」
「おい!中村?どこ行くんだよ!」
「…便所。」
中村先輩はそのままどこかへ消えてしまった。


