僕は君のもの




前から歩いてくるのは確かに直ちゃんで。



今頃は卒業式の打ち上げのハズなのに。



思わず顔をそらしたら視界に入ったのはしっかりと繋がれている森先輩と美紀の手だった。





直ちゃんに勘違いされちゃう!!




慌てて顔を上げると直ちゃんが手前の道を曲がっていくのが見えた。



美紀に気づかなかったの?






っていうかどうして勘違いされちゃうなんて思ったんだろう。


美紀は森先輩とつき合ってるのに。


勘違いなんかじゃない。事実なのに。








「あれ?今のって内野先輩じゃね?」



美紀は曖昧に微笑んだ。



「なんでこんなとこにいるんだ?」



「直ちゃんは美紀とご近所さんだから。」




直ちゃんが曲がっていった道を見渡したけどそこには誰もいなかった。