その人物は驚くほど早く現れた。 「美紀ちゃん!?」 さすがヒーロー。 「直ちゃぁ~ん…。」 必要以上に情けない声を出した。 美紀を見た直ちゃんが唖然とする。 「大丈夫かよ!」 「うん。」 わざと鼻をすすりながら答える。 「おい!直哉!どうしたんだよ!!」 柴先輩と中村先輩も登場した。 アヤと呼ばれた人物が柴先輩を見つめたまま顔を青くする。 なーんだ。狙いは柴先輩か。 「美紀ちゃん、保健室行こう。」 直ちゃんが制服の袖で美紀の頭をゴシゴシと拭いてくれる。