「それで別れちゃったわけ?」
恵梨香が呆れた顔で美紀を見る。
「別れたなんて言ってないじゃん。」
「見ればわかる。小指の指輪、どうしたの?」
「あ…。」
何も付いていない小指を触る。
あ~ぁ。あれ貰った時恵梨香に大騒ぎしちゃったんだ。
無言でお弁当に目を移した。
鮮やかな黄色の卵焼き。
それを一口で頬張る。
「相手の何が嫌だったの?」
「…。」
彼は美紀のわがままを何でも聞いてくれる。
彼はいつでも美紀と会おうとしてくれる。
彼は美紀を女として見てくれる。
どれも直ちゃんには望めないこと。
「わかんない。」
なぜか恵梨香にそれを話すことはできなかった。


