・・・・・

「奈々」  

  「うん?」


  ちゅ・・


「ん・・っ・・」



・・・え?


新地の顔が目の前・・に・・?


あたしの座ってる席はガラスと向かい合わせ。



つまり、外からあたしの顔が丸見え。



キスはまだ続いている。





あたし・・・今どうなってんの?


わ・・わけ分かんない・・。



あたしには見えた。



人ごみの中にいる健悟が。



健悟と目が合った。


健悟が一瞬固まったのが遠くにいるあたしにもわかる。



健悟はあたしから目をそらして違う方向へ歩いて行った。





健吾・・!!健吾・・っ・!!

待ってよ健吾!!



やっと新地が唇を離してくれた。


「ご、ごめん!!あたし帰るね!!」



「あ、ちょっ、送っていk・・」




「いい!帰る!!」

   バタン・・


「何やってんだよ俺・・・かっこわりぃ・・」