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「帰ろう?詩織」


「やだ!」



「いつまでもここにいたら
きっと詩織のお母さん心配するから」


「…お母さんは心配なんかしないよ」


「夜ご飯抜きにされちゃうぞ」


「そ、それは…嫌だけど…

そうちゃん、あたしのせいで
ケガしちゃったから…
あたしは一生ここで暮らすの!」



「詩織は悪くないよ

男は女の子を守らないと
いけないって決まってるんだよ!」


「ほんと…?」


「うん!こんなケガへっちゃらだ!」


「ほんとのほんとに!?」


「ほんと!だから帰ろう、詩織」


「うん…!」



あの日は夕日を背に
二人で手を繋いで帰ったな…