この空の下で




小さい頃いつもそうちゃんは
私の心を穏やかにしてくれた


今さっきまで私の顔面は
涙だらけだったのに

今、一番穏やかな気持ち…


初恋が今実ったんだ



「俺の母親はただの親バカ…
一人息子だから心配しすぎてるだけなんだ」



「…けど、お前の存在を否定したなら俺は親でも許さねぇよ。あれは俺も、もちろんお前も、誰も悪くねぇんだから」


そう言ってそうちゃんは頭を撫でてくれた





「帰ろう、詩織」


そうちゃんはブランコから立ち上がり
私に手を伸ばした



あの時のようにそうちゃんの手は温かい


そしてあの時と一つ違うのは、この空間に
何一つ、嘘、偽り、強がり…がないこと