…―やっと着いたね。―…


そう言ったのは風のピューマだった。


そう、彼らは大草原パンパからの長い道のりを越え、漸く王都に到着したのだった。


…―それにしても瓦礫ばっかだけど、王宮は大丈夫なのかな?―…


風のピューマは自分の隣を歩くパンパスにそう聞いた。


そして、パンパスはその問いに答えるのだった。


「王宮は大丈夫だと思うよ。
ピューマも隣街で聞いただろ?
王宮は王宮防衛部隊の魔法陣で守られているから損害は軽微だって。」


…―成る程ね。通りでここから見ても王宮が高々とそびえてる訳だ。
…でもドラゴンはどこに居るの?―…


「それはピューマの方が分かるだろ?
上空の風が妙だし、上空を旋回しているんだろう。」


…―ああ、成る程!―…


そして、そんなお気楽なピューマを引き連れ、パンパスは王宮へと向かうのだった。