でも…始まりがあれば終わりがある。
前々から思ってた事。
それは…私が高1の夏だったかなぁ。
1歳年下だから亮は中学生だったのに、
いつも学校が終わったら迎えに来てくれて、
その日は何でか分かんないけど、深刻そうな顔してたよね。
家の近くの公園でその理由を聞いたらさ
「実は…親の事情で引っ越す事になって…」
別れ…だったよね。
しかも取り戻すことのできない別れ。
『えっ?でもメールとか…電話とか…手紙とか…あるじゃん?』
遠距離恋愛なんて映画やドラマを見てる限りではあまりしたくなかったけど、
何故か口走ってしまった。
「僕、瞳さんとの別れ…すごく悲しいと思う。
でも遠距離恋愛って続かないと思うんだよね。
瞳さんもそう思うでしょ?」
顔に出ちゃってるのかなって言うくらい
あっさり当てられちゃったよね。
つまり…引っ越し=別れかぁ…
「別れが寂しくなるから、いつ、どこに引っ越すかは瞳に言わない事にしたんだ」
1番悲しいお別れだった。
『ぇ?ちょっと…それは言おうよ…』
いつの間にか涙が頬をつたっていた。
