サラの入れたお茶を飲みながら雑談に興じる。といっても話しているのは主に女性二人だ。端から入るつもりのない俺はともかくとして、リエルもマイペースにお茶を啜っている。

そして、ドアがノックされた。


「遅れてすまない」

入ってきた男を見て、クラウンが歓声を上げた。

「クロ! 遅い!」

「ああ、すまない。気になることがあってな」

とぽんぽんと彼女の頭を叩いた彼に俺も見覚えがあった。

「あんた、体はもういいのか」

「ああ、この通りだ」

と、彼は微笑んだ。以前会ったときは王都帰還直後で彼はかなり憔悴していた。今は顔色もいい。と、サラがはっとして彼に新しいお茶を入れた。

「どうぞ。あの、勝手に厨房を使わせていただいたんですけど…」

「いや、全く構わないよ」


と返事をしてバシラスは椅子に座った。