広間には各部族から召集された戦士たちが集まっていた。百人は優に収容できる広間にはテーブルが置かれ、実に多種多様かつここでしか食べられないような料理が処狭しと並べられている。天井からは豪華なシャンデリアがぶら下がり、室内は匠の手による逸品で彩られている。が、

「悪趣味やのう」

最初にこの広間に足を踏み入れた時のクラウンの感想がそれだ。どうやら、職業柄審美眼にも優れた彼女にはお気に召さなかったらしい。バシラスはというと、いつもここに来ると目をしばたたかせている。ゴテゴテした大変きらびやかな装飾品が鎮座するこの場所は苦手であるようだ。他の戦士たちにもあまり好評ではない(だいぶ抑えた言い方だ)。


さて、そんなクラウン曰くの「悪趣味」な空間で、今日討伐隊の編成が発表されることになっている。